3月に入り、卒業のシーズンになりました。
我が家の自閉症スペクトラムの娘も、今月に卒園式を迎え、4月からは小学校に入学します。
自分もそうですが、発達障害をもつお子さんの親御さんは、子どもの小学校生活について不安や心配がつきませんよね。
けれど、心配しても小学校生活は待ってはくれません。
それならば、子どもが安心して新生活を迎えられるようにできるだけの準備はしておきたいですね。
バタコも、娘が自閉症スペクトラムのため、年長の春から1年近くかけて就学準備を進めてきました。
今回は、自閉症スペクトラムの子の就学準備について、学習面にポイントを絞って詳しくご紹介します。
この1年、試行錯誤して自閉症スペクトラムの娘にドリルを選び、
繰り上がりのたしざん、繰り下がりのひきざん、アナログ時計の読み方(以前の記事参照)などもできるようになりました。
また、言葉理解が難しい特性をもつ自閉症スペクトラムの娘も楽しくとりくめている国語の文章題の市販ドリルも紹介します。
自閉症スペクトラムのお子さんの就学準備で学習面について迷われている方がいらっしゃったら、ぜひ参考にしてくださいね。
小学校入学前から、座って学習する習慣をつけよう
小学校に入ってからは、1コマ45分間の授業時間、基本的にずっと椅子に座っていることになります。
それは今までの園生活とはガラっと雰囲気が変わりますよね。
体育など体を動かす時間もありますが、今までの未就学児時代の生活とは全く異なる環境に身をおくことになります。
大人でさえ、新しい職場で知らない人たちと出会い、デスクで仕事するのは大変なことですよね。
6歳児にとってはそれは、非常に疲れることでしょう。
さらに、学校に入学したら学習面だけではなく、新しく出会う先生、同級生、教室など環境面からいっても慣れるのは並大抵のことではありません。
まして、社会適応力やコミュニケーション能力など、小学校生活でまわりの友達と一緒に遊んだり、協力しあうなどの経験でしか培えないものもあります。
けれど、学習面については、家庭の中で親子でできる就学準備です。
もちろん、年長から学習机に勉強を座ってみっちりやる必要はないと思います。
勉強は小学校に入ってからで十分というという意見も一定数あると思います。
事実、バタコも子どもの頃、就学前にドリルなどはしたことはありません。
けれど、自閉症スペクトラムの娘は、新しい環境、新しく出会う同級生、先生たちと一緒に過ごすだけでも大きなストレスを感じ疲れてしまう心配があるのです。
かつ今までは幼稚園のバスにのって通っていましたが、小学校へは徒歩で通います。
それだけでも大きな変化なのに、着いたら決まった時間割通りに授業を受け、10分間休み、また授業の繰り返しです。
そして給食を食べ、5時間の時間割であれば昼食後も授業です。
最初は環境に慣れることだけで精一杯になることは必至です。
授業スタイルに慣れるだけでも時間がかかってしまい、45分の授業内容すべてを理解するのは娘にはおそらく難しいでしょう。
その為、年長のうちに理解できるものに関しては先に進めて学習しておくのは決して損にはならないと考えました。
我が家では子どもが興味を持っているのであれば、
学習面に関してはどんどん先取りで進めてよいと夫婦で考えが一致しています。
得意な科目はどんどん先取りして進める
以前も記事に書きましたが、娘は今のところ、算数に苦手意識はありません。
就学直前に、繰り上がりのたしざん、時計の読み方、(以前の記事参照)、
繰り下がりのひきざんまで終えました。
なお、算数の学習準備に入る前に
小学1年生の算数の範囲が分からなかったので、本屋で実際に書店で小学1年生の教科書の内容をチェックしたりしました。
今は、繰り上がりのたしざんはさくらんぼ算というやり方が主流なのですね。アラフォーのバタコの頃は、このさくらんぼ算という言葉自体なかったので驚きです。
バタコは小学生の頃にさくらんぼ算を習っていないので、さくらんぼ算の教え方が分かりません^_^;
そこで、本屋の学習参考書コーナーを探して、
『おうちで完全マスター!算数の教え方がわかる本 小学校6年間・全学年に対応』
という算数の教え方に関する本を見つけたのでさっそく購入しました。
この本は1年生から6年生まで学年別の学習指導要領に準拠しています。
繰り上がりのたしざん、繰り下がりのひきざんなども、とても丁寧に解説されていました。
この本の内容通りに、繰り上がりのたしざん、繰り下がりのひきざんの方法を娘に教えたところ、何度かやるうちに娘はやり方を覚えてできるようになりました。
バタコは算数は苦手ですが、この本があれば、どうにか娘に小学校6年間の算数を教えることができそうです。
言葉の理解が苦手な娘
計算問題は苦手意識のない娘ですが、言葉の理解は苦手です。
特に、耳からの情報を処理する能力が弱いです。
幼稚園では一斉指示が入らないということを担任の先生から面談で聞いています。
(※幼稚園の先生には娘の特性のことを理解して、対応いただいています)
娘は、繰り上がりのたしざんや繰り下がりのひきざんなどはやり方を教えるとすぐにマスターして解けるようになります。
ところが、算数の文章題はとても苦手です。
それは、自閉症スペクトラムの特性の一つである
言葉の発達の遅れによるものだと考えられます。
娘は「8ー4」という計算問題はすぐに4という答えを書けます。
ところが、
りんごが4こ、いちごが8こあります。いちごはりんごよりなんこおおいですか
という文章題になると、即座にフリーズしてしまいます。
そこで、文章題のドリルとしてネットで口コミの評判の高い、
『早ね早おき朝5分ドリル 小1算数 文章題』にトライすることにしました。
早ね早おき朝5分ドリル 小1算数 文章題への挑戦
「早ね早おき朝5分ドリル 小1算数 文章題」のドリルを買ってきて、さっそく娘にトライさせてみました。
すると、一目見ただけで
「これ、わからない。お母さん一緒に読んで」
と鉛筆をおいてしまいました。
そこで、私が一緒に問題文をゆっくりと読みました。
すると、ようやく娘は文章の意味を理解して、問題を解くことができました。
最初の2.3回を一緒に読んで、ドリルを解くと、娘はそれからは自分でどうにか取り組めるようになりました。
この
は小学校1年生用ではありますが、
問題文が年長児でもわかりやすいやさしい文章でかかれており、かわいいイラストも描いてあるので、年長の娘もトライしやすいようで、毎日一生懸命取り組んでいます。
文章理解を苦手とする自閉症スペクトラムの娘も楽しんで解いているので、未就学児時代に、一番最初に選ぶ算数の文章題のドリルとして、おすすめできる1冊です。
算数の文章題に慣れたので国語の文章題にチャレンジ!
本屋で国語の文章題もチェックしたところ、同じシリーズの
『朝5分ドリル 国語文章読解 小学1年生』がありました。
これも国語の文章題対策として購入しました。
というのは、以前の記事にも書きましたが、
すでに、文字についてはひらがなは読み書きできますが、国語力は身についていませんでした。
そのため、以前の記事でご紹介した
ゆっくりていねいに学びたい子のための作文ワーク 初級① (喜楽研の支援教育シリーズ)
そして、
こちらの初級編を1年近くずっと取り組んできました。
上記のワークを続けたことで、
自分から少しずつ絵本を読むようにはなったものの、きちんとした文章題形式の国語問題を解いたことはなかったんです。
小学校でいきなり国語の文章題を見たら、相当苦労するでしょうから、
も同時に進めることにしたのです。
さて、実際にドリルに取り組んだところ、
こちらも簡潔な短い文章題からはじまるので娘も苦手意識をもつことなく開始できました。
最初の文章読解のストーリーは、動物が主人公の文章題も多く、絵本を読む感覚で馴染みやすいです。
1日1ページ取り組み、そのつどシールを貼れるようになっているのもモチベーションアップにつながっています。
支援教育シリーズをスモールステップで進めながら、市販の簡単な文章読解ワークをあわせてこなすことで着実に力をつけることを目標としました。
まとめ
今回は自閉症スペクトラムの子の就学準備について、実際に娘が1年近く進めてきた学習面についてまとめました
もちろん、発達障害の子の就学準備は学習面だけではなく、進学する小学校選び、普通級、支援級の選択、就学相談など多岐に渡ります。
実際バタコもあれこれ悩み、各所に相談してきました。そちらについてはまた別の機会にブログに書くことができたらと思います。
4月の入学後の生活はもうすぐ。自閉症スペクトラムの子の特性にあわせて、
親子二人三脚で楽しい小学校生活をおくれるように就学準備できることを願っています。
追記 (2022年2月28日)
この記事を書いたのはちょうど1年近く前になります。あれから月日は過ぎ、現在娘は小学1年生の3学期を送っています。
早いもので、もう1ヶ月少しで2年生に進級です。なんだか、1年前に就学準備していたのが懐かしいくらいです。
そこで、上記にご紹介した自閉症スペクトラムの子のための就学準備に取り組んだ結果と現在の娘の状況について別記事に書きましたので、よかったらそちらもみてくださいね。