2023年秋に映画公開が決まった『ミステリと言う勿れ』のドラマ最終回は、ラストの展開に驚かれた方もいらっしゃると思います。
まるで、この先も続きがあるような終わり方でしたよね。
これは映画化されるなとひそかに予感はしていました。
その予想が的中して、来年の秋に映画公開されるはこびとなり、ファンとしては大いなる喜びに包まれております。
なお、原作の漫画ではまだストーリーは続いていて、整はいくつもの事件に巻き込まれたり、ライカと2人で出かけたり、ガロは愛珠の事件の真相をいまだに追いかけています。
今回は、月刊flowers2022年6月号に掲載されている漫画『ミステリと言う勿れ』最新話「気がつけば潮目」についてネタバレ、感想を書いていきます。
ちなみに、今回の
『月刊フラワーズ』6月号の表紙は『ミステリと言う勿れ』の主人公整君が創刊20周年のケーキを抱えています🎂
そして、特別企画として作者の田村由美さんと
『昨日何食べた』や『大奥』の作者であるよしながふみさんとのスペシャル対談も収録されているんです💖
バタコはよしながふみさんの漫画も大好きなのでこの対談インタビューは保存版です✨
大奥の映画も面白かったですが、『きのう何食べた?』のドラマも大好きで何回も見ています。
深夜に見るとお腹空いてたまらなくなるのでメシテロドラマの異名をとっていましたね。
さらに、田村由美さんのファンには待望の嬉しいお知らせもあるので、普段単行本で購入されている方もぜひ、
今回は
をチェックすることをおすすめします。
では、映画化も決定してますます目が離せない『ミステリと言う勿れ』最新話の39話についてさっそく詳しいネタバレを書いていきます。
※詳しい内容に触れますので、ネタバレが嫌な方はここでストップしてくださいね。
ライカとガロが初顔合わせ
整とガロの危うさを指摘するライカ
今回のエピソードはライカとガロが会っているシーンから始まります。
『ミステリと言う勿れ』ドラマ版では10話でライカは、千夜子のために整の前から姿を消しましたが、
漫画ではライカは健在で、整の相談にのったり、一緒に美術館に行ったり、商店街を歩いたりなど、デートっぽいこともしています。
ただ、漫画でもライカは「この桜が咲く頃には私はこの世にいないけどな」と整に伝えていますので、漫画の時間枠ではまだ春になっていないということなのでしょうね。
(『ミステリと言う勿れ』5巻episode8より)
ちなみに、ライカとガロは今回が初対面です。
この2人が会うことはないと思っていたので、かなりびっくりですね。
けれど、ライカは整からガロの話や事件などをかなり詳しく聞いているので、かなりの事情通です。
ガロは自分も気にしている整のことに詳しいライカにちょっと複雑な気持ちを覚えます。
ライカはガロに整の印象を聞かれ「危うい」と答えます。
うーん、この危ういとはどういう意味なのでしょうか、、、
そして、ガロについても「危うい」という印象を伝えるのです。
ライカは自分はやがてはいなくなることをガロに話した上で、
「整君と(情報を)すり合わせをした方がいい」と告げます。
ライカは、ガロがどんなことに関わっているのかを詳しくは知らないはずですが、何らかの危険を察知しているようです。
『ミステリと言う勿れ』の漫画でのライカをみていると、かなり聡明で勘が鋭い女性なので、このセリフにはかなりの説得力を感じます。
何より、ライカがこれ程、饒舌に話しているのは初めてのことです。
いつも整とは言葉少なく、どちらかというと2人の間に流れる静かな時間を楽しんでいるかのようでしたから。
いつもは物静かなライカがここまで会話をしたということは、よほどの緊急事態を予測しているのかもしれません。
ライカに漂流郵便局をすすめるガロ
ライカは自分がいなくなった後に
もし整がヨレヨレになることがあったら自分の手紙を渡して欲しいとガロに頼むのです。
ガロは「ここ(病院)に二度と来ることはない」と答え、漂流郵便局に手紙を出したらどうかとライカにアドバイスします。
漂流郵便局のことをライカは知りません。
ガロは、届けたくても届けることのできない手紙を出すことができる場所だと教えます
ちなみに、
『ミステリと言う勿れ』6巻のあとがきにも書かれていますが、作者の田村由美さんは、実際に漂流郵便局を訪れています。
漂流郵便局は芸術家の久保田沙耶さんが企・制作した芸術作品です。
当初は芸術祭で期間限定の開局予定でしたが、久保田さんの意思により芸術祭終了後も継続すすることになったそうです。
バタコもこの漂流郵便局のことを
『ミステリと言う勿れ』6巻で初めて知りました。
漂流郵便局は四国の粟島にあるということなので、いつか行ってみたい、そして手紙を出してみたいなと思います。
ライカの予感が的中
ガロ危うし!
ガロは、以前からカウンセラーの鳴子巽のマンションの天井裏にこっそり忍び込んでいました。
この鳴子巽がガロの姉である愛珠のカウンセラーだったことは、ドラマの最終回でも羽喰十斗が話しています。
そしてそのカウンセラーは羽喰十斗が愛珠に紹介したのです。
そのエピソードは
『ミステリと言う勿れ』6巻に詳しく掲載されています。
それを聞いたガロは、愛珠も羽喰十斗と同じようにそのカウンセラーの鳴子巽の誘導を受けたのだろうと考えます。
そして、ガロはいとこのハヤと乙矢の力を借りて鳴子巽のマンションに潜伏したのです。
この時、ガロは羽喰十斗が付けていたラピスラズリの指輪を、土手から落ちて入院中の整に送っています。
こちらについてはドラマにも登場したエピソードなのでご存じの方もいらっしゃいますよね。
そして、バスルームの天井裏に忍び込み、毎日鳴子巽の行動や、パソコンにあるカウンセリングの記録などを克明に情報収集を始めたのです。
なお、このエピソードは
『ミステリと言う勿れ』9巻に収録されています。
鳴子巽は容姿淡麗なこともあって、人気のあるカウンセラーで、テレビや雑誌などにもよく登場します。
しかし、私生活はいたって地味です。早寝早起きで、誰かと交流もなく、連絡も仕事関係のみです。
朝食も毎日フルーツとヨーグルトというきまったものを食べています。
彼は仕事帰りに友人と飲んで帰ることもなく、同窓会などのお誘いも一切断っています。
そういう気質はどこか整に似ているような気もします。
『ミステリと言う勿れ』最新話のエピソード「気がつけば潮目」では、ガロのいとこのハヤは、
彼のことを心配して
「今日で張り込みは終わりにしろ」といい、ガロも頷きます。
ガロは、いつものように鳴子巽の部屋に忍び込みます。その時、部屋の様子がいつもと違うことに気づきます。
いつもはそこにないものがあるのです。
それは踏み台でした。踏み台が壁に立てかけられているのです。
ガロは踏み台を見て、「珍しい」と感じます。
そしていつも壁に飾ってある海の絵が消えています。代わりに、同じ場所に花が描かれた絵が飾ってありました。
ガロはまたも「珍しい」と感じながら、そのままいつものようにバスルームの天井裏に忍び込みます。
天井裏では、ガロは寝袋や食料、パソコンなどを持ち込んでいます。そのパソコンでは、帰宅した巽の様子が映し出されていました。
鳴子巽はいつも購入してくる市販の弁当の袋ではなく、なにやら大きめビニール袋を手にさげて帰ってきました。ガロはそこでも「珍しい」と感じます。
そして、鳴子巽は何やら作業をしてマンションをでます。その行動も、今までの彼のルーティンにはないことでした。
ガロはその時「今日、俺何回『珍しいな』って言った?」と自分に問いかけます。
バタコが好きな『古畑任三郎』の古畑も、いつもと違うことが起こった場合をとても重要視していました。
そして、そこから犯人を探し当てていました。
ほんの少しでも普段と異なる事象があった時は、そこに疑う余地があるということなんでしょうね。
以前記事にも書いた『やんごとなき一族』ドラマの初回が新型コロナの影響で急遽翌週に延期になった時のこと。
代わりに『古畑任三郎』の『しばしの別れ』が再放送されて話題になりましたね。そこでも、照明が急遽赤色に変更されたことを古畑は見逃しませんでした。そして、追い詰められた犯人は自供したのです。
その時、ハヤから連絡が入ります。ガロは「俺、どうしてここにいるんだろう」と呟きます。
その瞬間、鳴子巽の部屋中に煙が充満して、ガロのいる天井裏にも立ち込めてきました。その煙に喉をやられてガロは苦しくなり激しく咳き込んでしまいます。
「塩素ガスかも」と苦しい中で呟くガロにハヤは「すぐに部屋をでろ」と叫びます。死に物狂いで、荷物をまとめてガロは命からがら抜け出します。
カウンセラー巽の正体とは?
鳴子巽に操られていたガロ
ガロはハヤの処置が的確だったこともあって間一髪のところで命は助かります。ちなみに、ハヤは以前は医者をしていたこともあって医療的な知識はかなりあるものと思われます。
ハヤは社交界デビューをしていたり、カジノのディーラー経験があったり、その上医師免許も持っている異色の経歴ですね。
鳴子巽が仕掛けたのは、害虫駆除の燻煙剤でした。
その頃テレビでは、
「虫は好きだけど害虫は困るから追い出そうとした」と鳴子巽がコメンテーターに話していました。
鳴子巽はガロが天井裏に忍び込んでいることを知った上で、害虫駆除の燻煙剤を撒いたのです。
つまり、ガロは害虫だと言いたかったのでしょうね。
そして、その害虫を追い出したのです。ガロは燻煙剤によって目も痛めてしまいましたが、
「(自分の)命を狙うつもりはなかったのか」と呟きます。ガロは、もし本当に殺意があるなら燻煙剤ではなく塩素ガスを撒いていたはずだと推察します。
そして、今までのことが全て鳴子巽によって仕組まれていたことに気づきます。ガロたちを漂流郵便局にいくきっかけとなった手紙も巽が書いたのだろうとガロはいいます。
つまり、ガロは鳴子巽によって踊らされていたわけですね。
壁にあった絵画の秘密
ガロは、テレビでにこやかに話す鳴子巽を見ながら、昨日のことを思い出します。
それは、壁にかけられていた絵が変わっていたことでした。いつもは、ナズナを描いた絵が飾られていたのです。
しかし、昨日に限って、海の絵に掛け替えられていたことをガロは疑問視します。いつもナズナの花を描いた絵が飾られていたことを思い出します。
ガロは、鳴子巽がそのナズナの絵画が煙にまみれて汚れるのを嫌だから他の絵にかえたのかもしれないと考えます。
ナズナを描いた絵を見て、思い出す人がいます。
それは整のカウンセラーでもあった喜和です。喜和も、たくさんの花の絵を描いていましたね。
それは、彼女の恋人であった天達の同級生である蔦の別荘に飾られていました。大学の先生である天達に誘われた整も、別荘でその数々の花が描かれた絵画をみています。
ライカの忠告どおり、そういったことも含め、整とガロはお互いの情報をすり合わせた方が良いのでしょうね。
漫画には書かれていませんが、
ナズナの花言葉は「あなたに私の全てを捧げます」、「あなたに全てをおまかせします」ということです。
迷探偵バタコの自由きままな推理
喜和が任せたかったものとは
さて。ここからは、名探偵、いや迷探偵バタコの勝手極まりない推理の時間です。あくまでバタコの気まぐれによるものですので、読み飛ばしていただいてもかまいません。
喜和が鳴子巽に「あなたに全てを任せます」と花言葉で伝えたのではないかと考えます。喜和が任せたかったのは、彼女がカウンセリングしていた(とバタコは推測しています)
爆弾犯の三船(牡羊座の指輪所持)
放火殺人犯の下戸ろくた(蟹座のピアス所持)
と仮説を立ててみます。
羽喰十斗も(ラピスラズリの指輪)をしていましたが、それは「巽からもらった」とガロに話していたので、喜和からもらったものではないのは明白です。
愛珠が持っていたシルバーの指輪(山羊座のマーク)もおそらく鳴子巽からもらった線が濃厚です。愛珠がカウンセリングを受けていた時期の何年も前に、喜和はストーカーに殺されて亡くなっていますからね。
鳴子巽はカウンセラーであった喜和とは同業者で、自分が亡くなった後のことをナズナの絵画を通じて任されていたのではないでしょうか。
けれど鳴子巽はそれを利用して悪の方向に導いてしまったのでしょうか。
しかし、下戸がつけていた蟹座のピアスは香音人からもらったと警察で証言しています。
そうなると、喜和は下戸ではなく、香音人が子どもの頃にカウンセリングしていた際に、蟹座のピアスを渡した線も出てきます。
爆弾犯の三船、香音人は下戸と同様に、子どもの頃に親から暴力や虐待を受けています。
そして整も祖母から虐待を受けていました。
喜和が、虐待を受けていた整にカウンセリングしていたように、三船、香音人にカウンセラーとして関わっていたのかなという予測もできます。
鳴子巽がクランケをマインドコントロール?
ところが、鳴子巽は彼らをマインドコントロールして彼らを犯罪者にしたのでしょうか?鳴子巽はサイコパスのような人間にもみえるし、ありえない話ではないですね。
けれど、鳩村一葉も鳴子巽のカウンセリングを受けいてたようですが、彼女は犯罪に手をそめていません。それどころか、一葉は身内の作為で飛行機事故を装って殺されてしまったのです。
しかし、鳩村一葉のカウンセリングの映像は10年前のものでしたね。
そもそも鳩村一葉がカウンセリングを受けていたのは、鳴子巽からではなく、別の人物である可能性が濃厚です。
(鳩村一葉のエピソードはドラマには出てきませんので、知りたい方は
『ミステリと言う勿れ9巻』をお読みくださいね)
また、整も喜和からカウンセリングを受けていました。けれど星座のアクセサリーは身につけていません。それはもうカウンセリングは必要ないと喜和が判断したということなのかもしれません。
ただ、鳴子巽を黒幕だとするのは、あまりにも予定調和なのでおそらく別の人物のような気がしています。
真の黒幕は整が最も信頼を寄せる人物?
喜和と鳴子巽、その2人の間にもう1人、人物がいるとしたら、、、?
それは、ネットでも黒幕だと憶測をよんでいる天達准教授という線も否定できません。
天達と整はもともと、喜和がカウンセリングしていた縁で出会っていますし。整は天達を慕って彼が准教授を勤める大学に進学して教師を目指すようになった経緯があるのです。まして、天達は喜和の恋人だったのです。喜和が天達を信頼して、整や、三船、香音人の事を任されていたというのが自然な流れとも言えます。
喜和がストーカーから逃げてアイビーハウスに住んでいた時、彼女は花の絵を描いていました。アイビー、オニユリ、アジサイ、スイレン、ムスカリ、アザミ、マリーゴールド、キンセンカ、スノードロップなど、たくさんの花の絵を描いていたのです。
その絵を整も見ており、それぞれの花言葉を知っていて、その場にいる皆に伝えていました。整はその花言葉はどれもネガティブな意味を持っていると話していました。
オニユリは『嫌悪』、マリーゴールドは『悲嘆』、スノードロップは『あなた方の死を望みます』という花言葉だと整は花言葉辞典をみて話します。
けれど、スノードロップの花言葉はそれだけではなく、「希望」と言う意味もあるのです。同様に、朝顔の花言葉を『あなたにわたしは絡みつく』と整は言いましたが、『固い絆』と言う花言葉も持ち合わせています。
一方、天達は花言葉や占いなどを忌み嫌っており、「何の根拠もない」という持論があります。
そして、その夜天達は
『愛されなかったということは生きなかったと言うことと同義である』と言うサロメの言葉を引用して意味深に呟くのです。
天達は、喜和が描いた植物の花言葉の意味を知り、彼女に愛されていなかったと考えたのでしょうか?
とはいえ、作者の田村由美さんのことですから、もっと予想外の人物が黒幕の可能性も十分考えられます。
さらに愛珠、三船、十斗、畑村一葉は指輪(それぞれ星座のマークあり)ですが、香音人はピアス(星座のマークあり)なのも理由が気になります。
喜和のカウンセラーを受けていたのは整と香音人だけなのかもしれません。
それとも、指輪とピアスの違いは特に意味はないのでしょうか
この星座のマークの指輪やピアスについては、 考えれば考えるほど、堂々めぐりになってしまいます。
『ミステリと言う勿れ』漫画最新話39話のネタバレ・考察のまとめ
来年秋に映画化決定した『ミステリと言う勿れ』の最新話のエピソードについてネタバレと感想を詳しく書きました。
鳴子巽が愛珠のカウンセラーをしていたという事は既に『ミステリと言う勿れ』のドラマでも、羽喰十斗が話しています。
そして、ガロたちは羽喰十斗にあって、鳴子巽のことを知り、部屋に忍び込むことになったのです。
つまり、鳴子巽は全てを掌握して、ガロ達を自らおびよせたことになりますね。鳴子巽にしてみれば、餌を巻いておいたらまんまとガロ達が引っかかったというところなのでしょうか。
実際に、黒幕はカウンセラーの鳴子巽なのではないかという推測もネットではかなりあるようです。
けれど、それ以外にもっと秘密が隠されている可能性もありえます。
鳴子巽が黒幕だとするなら、ガロのことも殺していたはずです。けれど、実際にしたのは、むしろガロへの警告のように思えるのです。
そうなると、やっぱり真の黒幕は天達なのでしょうか、、、
いや、それともあの方でしょうか?(誰だよ)
ドラマは既に終わっていますが、原作の漫画はまだまだ謎に満ちています。特に今回は、ファンも多いガロがメインのエピソードですし、かなり読みごたえがありました。
上記にも書きましたが、
『ミステリと言う勿れ』が掲載されている月刊Flowers創刊20周年ということで、ファンには嬉しいイベント告知もあります。いつもは単行本で購入している方も、この20周年記念号は購入して損はない一冊です。
なお、『ミステリと言う勿れ』の単行本は現在1巻〜11巻まで発行されています。(2022年6月現在)
興味のある方はぜひこれを機会に読んでみてくださいね。
追記 2022年7月
今回の『ミステリと言う勿れ』39話の続きとなる最新話epi17「さざなみひとつ」が掲載されている
『月刊flowers2022年8月号』が発売されました。
こちらについても詳しく書いていますので、続きが気になる方はぜひのぞいてみてくださいね。
追記 2022年8月
上記の続きとなる
月刊フラワーズ9月号掲載の『ミステリと言う勿れ』エピソード17ー2、そして最新話の
月刊flowers10月号掲載のエピソード17-3についても詳しく書きました。(2022年8月30日現在)
思いもがけない人物も再登場しますのでぜひチェックしてみてくださいね。