借金という言葉にはなんとなくマイナスイメージがつきまといがちですよね。
正直、バタコも借金をすることそのものに良い印象を持っていませんでした。
けれど、そんな借金に対するネガティブな印象がガラリと変わったコミックエッセイをご紹介します。
榎本まみさんの
『督促OLの業務日誌 ちょっとためになるお金の話』というコミックエッセイです。
督促のことを知りたい方はもちろん、コールセンターに勤務している方、これからコールセンターで働くことを考えている方にもおすすめの一冊です。
※詳しい内容に触れますのでネタバレが嫌な方はご注意くださいね。
お金を借りた人への督促
著書の榎本さんは、新卒で信販会社に入社して入金督促の部署に配属されました。
電話をかけたらいきなり「かけてくるな」とガチャ切りされたり、
「こんな人を煩わせるような仕事しない方がいいと思いますよ」と理不尽に言われたり、
クレームの電話で2時間も費やしたりしたそうです。
入金督促の電話って、なかなか大変な仕事なんですよね。
お金がないから延滞している人に、お金を返してくれといわなければならないのは辛いものです。
榎本さんも、配属時はストレスで10キロも痩せてしまったのだとか。
仕事とはいえ、割り切れないものがありますね。
借金が払えなくなるとどうなるのか

『督促OLの業務日誌 ちょっとためになるお金の話』の中の榎本さんによると、
①払えなくなると1〜2ヶ月後にカードが使えなくなるということです。(解約になるため)
②分割払いやリボ払いの場合、一気に請求されることも。
③信用期間に延滞情報が登録されて他社のカードも止まるし、新規のカードやローンが通りにくくなる。
引用元:『督促OLの業務日誌 ちょっとためになるお金の話』
そういう状態に陥らないためにも、きちんと入金することは大切だと榎本さんはコミックエッセイの中で繰り返して述べられています。
ちなみに、バタコはカードが使えなくなったという経験はありません。
というのは、物心ついたときから母親から
「クレジットカードは持つな、どんなに親しい友人でも連帯保証人にはなるな」と言われ続けてきたからです。
加えて『サラ金は利息が雪だるま式になり大変なことになるから絶対ダメ』ということも耳タコです。
ちなみに、バタコの両親ともにクジレットカードは使わずに現金で生活をしています。
実家は持ち家で車もありますが、現金購入のためローンはありません。
両親は海外旅行もしないのでクレジットカードが必要な時もありません。
なお、地元は田舎で昔ながらの商店街が多く、クレジットカードが使える店自体が少ないので、現金だけでも生活に支障はないのです。
以前記事にも書きましたが、バタコは母親と決して良い関係ではありません。

けれど、子供の頃からクレジットカードや借金の怖さについて言い続けられてきたことで、
社会的信用を失うことをせずに済んだ為、その点に関しては感謝しています。
バタコはADHDということもあり、無計画にキャッシングしてしまった可能性も十分にありえましたからね。

バタコは両親もそうですが、田舎者です。
そういうこともあり、借金=ものすごい督促にあうという印象を持っていました。
漫画や小説で、借金で夜逃げするというストーリーも読んだことがあります。
例えばバタコが好きな漫画の
『アリスとアマリリス』も、父親の借金が原因で、主人公は母親と夜逃げしなくてはならなくなり、その後も借金取りから隠れる日々を送ることになってしまうのです。
そして、借金を題材にした小説で壮絶なのが
『火車』です。
著書の宮部みゆきさんは、この作品で山本周五郎賞を受賞しています。
『火車』もキーパーソンとなる女性の父親が借金をしたことより、逃亡を強いられるという点においては
『アリスとアマリリス』と変わらないのですが、その顛末は比較にならないほど凄まじく残酷です。
『火車』を読むと、1円でもお金を借りるのはやめよう、、、と考えてしまう程に借金の怖さを物語っています。
本来なら、人を助けるためのお金であるはずなのに、その金が人をどん底に陥れて、人の命を奪いもするのです。
お金を借りるのが悪いのか、貸す方が悪いのか、それとも、お金そのものが悪なのか。
いや、人間が罪深い生き物なのか。
その答えを小説の中に探したくて、繰り返し読んでいしまう作品です。
借金は悪いこと?

『督促OLの業務日誌 ちょっとためになるお金の話』の中でも書かれていますが、借金をすること=マイナスなイメージがつきまといますね
確かに、婚約者に借金1000万あると言われたら誰でも驚くことでしょう。
けれど婚約者に「独身時代にマンションを購入しているからローンが5000万ある」と言われても、それが収入に見合った返済額なら悪い印象を持つ人は少なくないのではないでしょうか。
けれど、家や車以外にローンを組むことには悪い印象を持ってしまいがちです。
確かに、借金があると言われると「ギャンブル癖があるのかな」「計画性がない」と想像してしまうことも否定できません。
ただし、著者の榎本まみさんによるとある程度収入のある人ほど、借金をしているのも事実だそうです。
また、お子さんの入学金を借金して用意するケースも増えているということです。
借金をしてまでも我が子を進学させたいという親心が伺えますよね。
また奨学金も借金の一つですし、バタコの同級生も公立の小学校で教師をしながら奨学金を返済しています。
学びたいことがあってそのためにお金を借りることを、誰が否定できるでしょうか。
榎本さんは督促に関するコミックエッセイ多数執筆されていますが、
それらを読んでいると借金に対してのそれまでのイメージを払拭させるものがあります。
実はバタコも、、、

今まで黙っていましたが、
実はバタコも、
借金、、、ではなくて、
督促OLの経験があるのです。
この本の中でも書かれていますが、コールセンター含め、督促OLの仕事をしているのは派遣の方が多いです。
バタコも20代後半の時に派遣社員として少しの間ですが入金督促の仕事をしていました。
榎本さんと同じ、一次督促の架電業務です。
バタコは、自分でいうのもなんですがリストのお客様に電話をかけるのがとても早いです。
他のコールセンターでも架電業務をしていた経験もあって、電話に対して抵抗は全くありません。
コールセンター勤務時代に、電話業務に関する資格に興味を持ち、ビジネス電話検定知識A級を受験をして合格しました。
※ビジネス電話検定は令和2年度で資格試験は終了しています。
そして、ブラインドタッチで入力作業できるので、会話をしながら電話内容を入力することも難なくできます。
そのことで、架電率が高くなり、必然的に回収率もアップしてその部署でトップになったこともあります。
これは決して嫌味ではありませんが、
トップになったことはバタコが目標としていたことではなく、あくまで結果に過ぎません。
業務としてやっていたことなので、他の人よりも回収するぞという気持ちでしていたわけではないのです。
回収率トップになったからといって、これといって嬉しさや喜びはわきおこりませんでした。
だからこそ、雑念がなく仕事に集中できて、トップになったのかも知れませんが。
派遣先のマネージャーからも、
「バタコさんは回収率のトップにいるから、予定よりも契約延長して欲しい」という話が直々にありました。
けれど、バタコはその職場自体に魅力を感じることがどうしてもできませんでした。
というのは、その職場ではパワハラが頻繁にあったからです。
バタコが入金督促している背中では、上司が部下に怒鳴っている、というのが日常茶飯事でした。
バタコ入金督促の業務でお客様に怒られたことはありませんが、その職場の社員に理不尽に怒鳴られたことはあります。
また、職場の人達も雰囲気もいつもギスギスしていました。
上司にパワハラされてトイレの中にこもって泣いていた女性もいました。
ストレスでトイレで吐いている人もいました。
そして、派遣のスタッフは入ってはやめていきます。
ある日、「この職場は耐えられない」と言って、隣の机の席の人はいなくなりました。
翌月また代わりの派遣のスタッフがきましたが、「ここの社員はみんな意地悪だからやってられないわ」と言ってやめました。
皆、バタコと同じ初期督促の派遣でしたが、1ヶ月足らずで去っていきました。
バタコは契約で決められた期間だけ働きました。
派遣元の担当からも契約を続けて欲しいと言われましたが、この職場で働いていたらいつか心を滅ぼすだろうと感じ、断って契約満了しました。
幸いにも他の仕事がすぐに決まったので助かりました。
結局、その職場ではバタコがやめた僅か3ヶ月後に派遣の大規模なリストラがあったということを聞きました。
連絡を取り合っていた派遣の子も突然解雇されたことに困惑していて、
「バタコさんと同じ時期にやめておけばよかったかな」と呟いていたのを今も覚えています。
対して、榎本さんは職場のスタッフにとても恵まれていることがコミックエッセイを通して伝わってきます。
お互いに助け合ったり、励ましあったりできる良い環境に身をおかれているからこそ、督促という過酷な仕事をプラスに受け止めることができるんだなと羨ましく感じます。
そして、それは榎本まみさんの人徳でもあるのでしょうね。
いつかお会いしてみたい、そう思わせるほど、本を通して榎本さんの人柄が伝わってくるコミックエッセイです。
まとめ
今回はコミックエッセイの『督促OLの業務日誌 ちょっとためになるお金の話』を ご紹介しました。
著書の榎本まみさんは、アメブロでブログを書かれています。そして、現在もコールセンターでお仕事をしながら、雑誌等で4コマやコラム記事を執筆している多才な方です。
バタコも、いくつかのコールセンターで仕事をしていたので、榎本まみさんの本は共感できることばかりです。
榎本さんは他にも多数のコミックエッセイを執筆されているので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
